学園通り

地域の愛情がこもった一本の街路を育てる学園通りプロジェクト

千葉市稲毛区緑町 / 学園通り

2012 - 現在

千葉大学正門から京成みどり台駅へと続く、まっすぐな街路「学園通り」。
電線地中化に伴う道路工事が行われたことを契機に、地域の誇りとなる街路を目指して、地域住民の手で沿道の植栽帯に花を植え、大切に育てていく活動を行っています。

活動のきっかけ


マナーの悪い学園通り

以前の学園通り_01
以前の学園通り_02

これまでの学園通りは、ゴミの不法投棄や自転車の違法駐輪など学生街ならではの課題を多く抱えていました。
「なんとか魅力的な街路にならないのか…」。多くの地域住民が共通の課題意識を持っていました。

きっかけは電線の地中化工事

学園通りで電線地中化工事が行われ、街路及び植栽帯が一新されることが決まりました。
これを機に従来と異なり、地域住民主体の植栽帯管理の実現を目指したことが活動のきっかけとなりました。行政職員の方との実地調査や地元町内会での説明・議論を重ねていきました。

地域を知る

地域住民による勉強会_01
地域住民による勉強会_02

「学園通りをなんとかしないといけない」と立ちあがった地域住民たち。でも、いざ活動を始めるとなると知らないことだらけだと気づきます。普段何気なく利用している街路。思った以上に無関心だったのかもしれません。
「目指すべき姿」を定めるべく、地域住民や行政職員、子どもたち、学生、みんなで勉強を重ねていきました。

アガパンサスを植えよう!

アガパンサス植花イメージ図

みんなで勉強を重ね、常緑で管理がしやすい「アガパンサス」を植えることにしました。集まった地域の想いを視覚的なイメージに起こします。夢の詰まった絵は、みんなの表情を明るくします。地域で目標を共有することが大きな推進力を生みました。

夢をカタチに


地域の手で植える

100名以上での植花活動_01
100名以上での植花活動_02

2012年10月、100名以上の手でアガパンサスの苗が植えられました。その後は「お手入れの日」を定め、毎月欠かさずに植栽帯管理を続けています小さく頼りなかった苗が、日に日にたくましく成長していく姿に地域全体で喜びを共有しています。

アガパンサスのかざぐるまを作ろう!

アガパンサスに見立てた風車を作成_01
アガパンサスに見立てた風車を作成_02
アガパンサスに見立てた風車を作成_03

小さな苗だったアガパンサスが大きくなり、学園通り一面を彩るのは約三年後。満開のアガパンサスのイメージを地域で共有するべく、紫色のかざぐるまをみんなで作り、飾り付けました。開花への期待が膨らみ、ますます活動に熱が入りました。

学園通りのキャラクターを作ろう!

学園通りのキャラクターの作成
最優秀賞のアパちゃん

地域から「学園通りのキャラクターを作ろうよ」といった声が生まれ、「学園通りキャラクターコンテスト」が開催されました。近隣の小学校を中心にたくさんのキャラクター応募があり、最優秀作品に選ばれたアガパンサスの妖精「アパちゃん」は学園通りのメインキャラクターとなりました。応募作品はまちのなかに展示し、みんなで楽しみました。

魅力的な告知ポスター

アガパンサスお手入れのポスター_01
アガパンサスお手入れのポスター_02

毎月行っている「学園通りお手入れ」への参加を呼び掛ける告知ポスターは毎回手書きの力作揃い。日に日に成長するアガパンサスや季節の変化を盛り込んだ魅力的なポスターが持続的な地域住民の参加につながりました。

喜びの開花

開花したアガパンサス

地域総出で大切に育ててきたアガパンサス。苗を植えて三年目には、地域からの愛情にこたえるように2000以上の花をつけ、学園通りを鮮やかに彩りました。アガパンサスの開花は、地域全体の喜びの開花でもありました。

学園通りを灯す「ペットボタル」

ペットボトルに太陽光パネルやLEDを組み込んだペットボタル
夜道で光るペットボタル

夜の学園通りを照らす植栽灯として、ペットボトルに太陽光パネルやLEDを組み込んだ「ペットボタル」を地域の方々と作成しました。作成されたペットボタルは、今でも冬季に期間限定で設置されています。

地域に根付くカフェの内装設計

コーヒースタンドEureka Coffee Roatstersの内装設計_01
コーヒースタンドEureka Coffee Roatstersの内装設計_02
コーヒースタンドEureka Coffee Roatstersの内装設計_03

2015年春、学園通りに立地するビルの1階にコーヒースタンド「Eureka Coffee Roatsters」がオープンしました。オーナーは千葉大学卒業のバリスタ。母校の学生の良い機会になれば、という想いでDropsに内装設計・施工を任せていただきました。改装後、様々なお客さんが集うようになった店内には、「地域に文化を発信する場」が育まれています。

人とお店をつなぐ「学園通りパス」

地域通貨として使用できる学園通りパス_01
地域通貨として使用できる学園通りパス_02

まちの「人」と「お店」がつなげることを目的として、学園通りのお手入れに参加された方に「学園通りパス」をお配りしていました。パスに協力店へのメッセージを記入すると地域通貨として、お店独自のサービスを楽しむことができます。集まったメッセージは店頭に並び、地域愛でまちがぐっと豊かになりました。

みどりまち音楽の集い

みどりまち音楽のつどい_01
みどりまち音楽のつどい_02

学園通りのある緑町を盛り上げるべく、音楽家のみなさんと音楽イベントを企画しました。当日は生演奏などを聴き、地域の様々な世代の方々が楽しい時間を共有することで、音楽を通した「出会い」をつくっています。

広がる地域の環


行政との連携

「地域主体の植栽帯管理」といっても、行政によるバックアップは不可欠であり「道路サポート制度」をはじめとする様々な支援を受けています。植え込み作業での安全確保や、お手入れによるゴミの期日外回収など、持続的な活動に向け大きなサポートをして頂いています。

町内会との連携

学園通りの手入れをする地域住民

地域主体の植栽帯の管理活動を始めて9年。1年目には沿道の店舗などによる管理活動へのサポートが生まれ、2年目には町内会や子供会、地元小学校が学園通りを舞台に様々なイベントが実施されました。そして3年目には、隣接する町会でも地域主体の植栽帯管理が始まりました。学園通りに対する地域の愛着が高まり、この街路を介して、少しずつ着実に地域コミュニティの環が広がっていることを感じています。

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